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2011年2月27日 - 2011年3月5日

730日

 カンボジアに移住してから、今月中旬で2年になります。365×2で、だいたい、730日。

 ニョニュムは41号から51号までを、11冊を編集長として、みんなと一緒につくりました。

 ニョニュムは、小さな、わずか8500部のメディアですが、そこで考えさせられることがたくさんありました。変化の激しいカンボジアの社会のなかで、メディアというものが、どうあるべきか。私たちが伝えたいことを伝えるのか、読み手が知りたいことを伝えるのか。それからもうひとつ、重要なファクターとして、広告主の方々います。三方の思いが一致しないときは、どう折り合ったらいいのか。

 小さいながら、毎度毎度悩んでつくっています。

 時間切れ、ゲームオーバーみたいな時も、たくさんあります。

 そんなときは、出来上がったニョニュムを手放したくない気持ちになります。申し訳なくて。

 でも、作り手が楽しまなくては楽しい雑誌はできない。その思いは、いつもみんなに実感してほしいと願いながら作っています。みんなって、スタッフだけではなく、執筆をお願いしている社外筆者のみなさんにも、です。もちろん、私自身もです。

 「楽しい」というのは、笑えるような楽しさばかりではなく、心をわしづかみにされるような感動や、突き上げるような怒りや、痛みや悲しみや、そんなものも含めて、心動かされること、とでもいいましょうか。どんな役割であっても、それぞれの仕事のなかで少しでもそんな瞬間があればいいな、と。

 取材をしていて、自分の心が動いたことをただ書き連ねたら、それは新聞記事にはならない小さな、日常の笑いと涙だった。・・・というのが、私が新聞社を辞めた理由です。滞在730日を迎える今月、自分がなぜ、カンボジアにきたのか、何を目指して日々を重ねるのか、もういちど見つめようと思います。迷ったときにこそ、心落ち着けて、出発点に立ち返ろうと思います。

 3月から、ニョニュムは変則的な形ですが、新しい日本人スタッフを迎えました。グラフィックデザインのプロです。それから、4月からは、インターンとして、日本人の編集スタッフを迎えます。ニョニュムの充実と、ニョニュム以外の仕事を請け負い、編集プロダクションとしての広がりを模索していきます。

 ニョニュムも、私たちも、変化する社会の姿をうつす鏡として、形を変えながら成長していかなければなりません。けれど、原点はいつでも、「楽しくなければ、仕事じゃない」。働くことは、生きること、だからね。

 

 

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