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そのまま。

 記者という仕事は、他人の言葉をアレンジして書くことが多いです。紙幅には限りがあり、おっしゃったことをそのまま書き連ねることはできません。

 そのため、「趣旨が違う」とか「こんなことは言っていない」と、お叱りを受けることもたびたび。逆に「そうそう、これが言いたかった」と言っていただくこともありますが、いずれにしても、最も力強い言葉というのは、やはり、「そのままの言葉」であります。私たちの仕事というのは、力強い、珠玉の言葉に出会うために旅をしているような、そんな気もします。

 きょう、坂上二郎さんの訃報記事で、萩本欽ちゃんの話を見つけました。http://www.asahi.com/showbiz/nikkan/NIK201103110021.html

 これは、たぶん「言ったまんま」の記事です。そしてたぶん、記者が欽ちゃんの言葉を聞いて、「手を加えず、そのまま載せよう」と思い、意識して全文を載せたのだと思います。全部読んでほしい、と願いながら。

 欽ちゃんの話を、要約することはできたと思いますが、それでは伝わらない。書き言葉にはない、枝葉のような言葉の数々が、心のひだのようなものを伝えるのだ、と思いました。

 いつも「そのまま」がベストだとは限りません。冗長な引用は、文章全体の力を削いでしまう。

 でも、「そのまま」でなくてはならない時が、あります。

 それがどんなときなのか、きちんと見極めることのできるセンスを磨いていくことが大事だと思いました。

 

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